NYで拍手喝采をもらった理由

こんにちは!

英語発音矯正とボイストレーニングのオンライン・ボーカルスクール

「Higher Voice」を主宰しているMaki Mannamiです。

 

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私は19歳の頃、ニューヨークでゴスペルシンガーの黒人の先生にジャズを習っていました。

レッスン中に曲のある箇所になると、先生が毎回ピアノを弾く手を止めて首をひねっていました。

「もう一度歌って」と言われたので歌ってみましたが、やはり先生は止まって、「どうもここだけ不自然なのよね」と言いました。

あなたこの単語の意味分かってる? とそのフレーズの中の単語を一つ抜き出して私に聞きました。

私はその時、実はその単語だけ意味が分かっていなくて、分からない、と言いました。

すると先生は、「分からないならどうして調べてこないの。分からない単語が一つでもあるんだったら、その曲を歌ってはダメ」と私に言いました。

先生の言うとおり、単語の意味を理解していなくて歌を歌おうとするなんて、今考えるとなんて浅はかだったんだろうと思います。

英語の歌を練習している人で、実はそんな人が多いのではないでしょうか。

英単語をただの音として捉え、雰囲気だけで歌う、これではいくら発音を練習してもボイストレーニングを訓練しても、いい歌は歌えません。その時の私のように、どこか薄っぺらい形だけの歌になってしまいます。

意味も理解せずなんとなく歌っていると、ネイティブの人には伝わってしまうんですね。音楽のプロでなくても、日本に住んでいるアメリカ人の人が、「日本人のシンガーが英語の歌を歌っているのを聞くと、歌詞の意味を理解していないのがよく分かる」と言っているのを聞いたことがあります。

それ以来、もし分からない単語が出てきたら歌う前に調べるようにしていました。ところが、同じニューヨークでミュージカルの歌の先生にも習っていたのですが、ある曲を歌っていたとき、その先生がまた「しっくりこない」といって何度も私に同じ箇所を歌わせました。

曲の中には「Little snip」という歌詞があり、「snipの単語の意味が分かる?」と聞かれたので、「分かってます、“小さな切れ端”という意味ですよね」と答えました。

その曲は母親が子供をあやしている最中に歌われるミュージカルの歌だったのですが、母親が自分の子供を、まるで小さな紙の切れ端のように小さな小さな子よ、と愛しく歌っている場面でした。

「英語は君の母国語じゃないから、snipという言葉をあまり使ったことがないんじゃないか。君の国の言葉で”sad”と言ってごらん」

と言われたので、私は日本語で「悲しい」と言いました。すると先生は、ほら!と叫びました。

「君が自分の国の言葉で“悲しい”と言った瞬間、君の顔が悲しそうに見えたんだ。言い慣れている言葉だと、そうやって表情に出るんだよ。英語でもsadという言葉は何度も使っているだろうから慣れているかもしれないけど、snipという単語には慣れていない、だから不自然に聞こえるんだ。慣れるように何度も使ってごらん」

と先生は言い、また「19歳の君には母親が小さい子供を小さな紙切れに例える気持ちが分からないだろうから、自分の親戚でも友達の子供でもいいので、小さい子を見たときに愛おしいと思う気持ちに浸りながらこの箇所を歌うように」、とも言いました。

その日から私は机の上に紙の小さな切れ端を実際に並べて「snip」と何度も口にしたり、町でも小さな子供を見ると「snip」とつぶやいたりしていました。

その頃私はニューヨークのダンススタジオで毎週歌のワークショップを受けていました。100人くらいの参加者の前で歌い、先生や参加者たちに歌った後に批評されるというワークショップだったのですが、素晴らしい歌を歌った人には大きな拍手や歓声が上がります。そうでない場合はもちろん社交辞令程度の拍手しかもらえません。そして参加者のコメントもかなり厳しいものでした。

私はちょうど先ほどのミュージカルの歌を毎週歌っていたのですが、なかなか拍手喝采にはたどり着けず、「Makiは声はいいんだけど、歌の内容が伝わってこないんだよね」と皆にいつも同じことを言われていました。

それが、「snip」の練習や、歌詞を一から見直すこと、時には自分の母親のことを思い浮かべて泣きながら歌うという過酷な練習を毎日2ヶ月間続け、ある日ワークショップで同じ歌を歌い終わると、割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こりました。

「You’re done (君はやり遂げたよ)」という言葉や、「一つ一つの単語に至るまで内容が伝わってきて胸を打たれた」という感想を言われ、ワークショップの先生が「Makiの歌に意義がある人はいますか?」と聞くと参加者全員が「No」と答えてくれました。

自分の歌がなぜ伝わらないのか悩みながら練習を続けていたので、ワークショップで始めての拍手喝采をもらって本当に嬉しかったことを覚えています。

皆さんも、英語の歌詞で分からない単語が出てきたら、きちんと調べるようにしてください。日本人の観客には意味が分からなくても、歌っている人がその曲にどれだけ入り込んでいるかというのは如実に伝わります。

そして一つ一つ言葉を大事にして、気持ちを込めながら歌いましょう。やはりここでも「何度も繰り返し練習する」ということが大切ですね。

 

次回の更新もお楽しみに!

Maki Mannami

 

 

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